植物が山を登る


                              2008.11月

□タイトルはいささか、刺激的なのだが意味は分かる。

 温暖化というものを受けて、植物相が変化しつつあるのだ。

 寒冷を好む植物は、山を登りまた北に向かって、その生きる範囲を移動しつつあるということだ。



□national geographic がら転記してみよう。


 まるで高原の避暑地に涼を求める人間たちのように、植物もより高い土地を目指して山を「登って」いる。
 地球温暖化が植物の分布に与えている影響が研究で分かった。

 地球温暖化の影響によって植物や動物が生息域を変え、しだいに高緯度の北極や南極に近付く方向へと移動しつつあることは報告されてきた。

 今回の研究では、植物が理想的な気温を求めて、ゆっくりと標高の高い場所へすみかを移していることが明らかになった。

 「このことに注目した当初は、これほどまでにインパクトのある結果が得られるとは考えていなかった」と話すのは、フランスのアグロパリテックの森林生態学者で研究チームだ。

 地球温暖化はこの先10年以上にわたって継続すると予測されており、その通りになれば植物たちも延々と「山登り」を続けることになる。

 ただし、この「山登り」には植物の種類によって違いがあり、生態系が崩れる恐れもあるという。

 さまざまな植物の分布に関しては、植物学者が正確な記録を残してきた。

 山地の気候は高度により劇的に変化するので、ある種の植物が高地に移動すれば容易に判別することができる。

 「つまり、山地は温暖化による植生分布の変化を観察するには絶好の場所なのだ」と語る。

 研究では、フランス国内および周辺の山地に関する約8000もの調査結果を対象として、変化がまとめられた。

 古くは1905年の調査にまでさかのぼって比較検証したという。

 対象とされた場所には、西アルプスやピレネー山脈のほか、フランス中南部の高地が含まれる。

 この地域の温度には1985年を境に変化が見られたと研究チームは報告している。

 1985年以前のこの地域では、はっきりとした気候の変化は認められなかった。

 しかし、この年から山地においても温暖化が進むようになり、しだいに上昇する気温に合わせて植物の生息地も変わり始めたという。

 研究チームは低地の斜面にも注目し、森林を構成する171種の植物の移り変わりを海抜0メートルから2600メートルにかけて調査した。

 気温の変化に敏感とされる高地の植物に注目が集まっていたが、今回の研究によって、低地に生える一般的な植物も温暖化の影響を感じ取っていることが分かった。

 また、植物の種類によって高度を変える速度にばらつきがあることも明らかになった。

 「高木や低木など長く生き続ける植物には大きな変化が認められない一方で、ハーブのように生きる期間の短い植物には急速に高地へと移動する動きが見られる」と説明する。

 「そのため植物群落の構成は大幅に変わっていくとみられ、そうした植物と関わり合う動物にも変化の波は押し寄せるだろう。これは生態系の崩壊につながるのではないか」と懸念している。






補足、まとめなど

 記事はフランスの山地では…となっている。

 しかし、日本における植物にも同じ温暖化の影響を受けている訳であろう。

 例えば、園芸とか畑作でどういう植物が適合するのか…というような問題として顕在化してくるのだろう。