近畿圏における工業団地 完売ラッシュ


                          


□2007年11月 の新聞記事から。



■近畿の工業団地へ中小企業の進出意欲が旺盛だ。
 景気回復による事業拡大はもちろんだが、松下電器産業やシャープの新工場に続く形で、関連の部品メーカーなどの 設備投資が目立つ。

 兵庫県の尼崎市や加西市の団地では分譲用地の完売にメドが立ち、完売した堺市では進出を希望する企業が殺到し、ようやく絞り込みを終えた。

 尼崎市臨海部の工業団地「産業の育成・支援拠点」は県と市が開発。約6万7000平方 メートルの敷地を22区画に分けて中小規模の工場用地として昨年春に分譲を始めた。

 現在、16社に20区画を売却。残る2区画も早ければ今年度内にも完売する。
 16社のうち 大阪市からの進出が9社。
 大阪市に隣接する立地の良さが好感されている。

 今年7月、大阪市北区に立地していた工場を尼崎に移転した工業ガス製造のウエキ コーポレーション(東京・大田)は、「松下効果」に着目した企業の1つ。

 同社は 世界最大規模のプラズマパネル工場の稼働を受け、プラズマ製造工程向け工業ガスの 供給拡大には松下と隣接した団地が最適と判断した。

 同社のように松下と取引があることを明言する企業は少ない。
 だが最近でも「倉庫用地 に適した1000平方メートル程度の土地はないか」といった問い合わせが市や商工会議所に 相次いでおり、地元では多くが松下関連の事業者とみている。

●「シャープ」魅力
 堺市臨海部に位置する中小製造業向け拠点「堺浜中小企業クラスター」も、隣接するシャープの液晶新工場の影響を受けた。

 この団地は新日本製鉄堺製鉄所から遊休地 約7万4000平方メートルを寄付してもらい市が整備するが、42社が応募した。

 全社の希望面積 が分譲予定の4倍に膨らんだため、市は進出企業を11社に絞り込んだ。

 市は2009年度に用地を引き渡す。

 家電用の金属部品製造、創美工芸(大阪府八尾市)はシャープと取引があり、液晶テレビ 「アクオス」向けにパネルの枠を製造・販売しているが、団地に進出後は増産も視野に入れている。

 市は団地を先端産業の集積地と位置付け、プラスチック加工製品製造の大和化成(堺市) はその一翼を担う。

 同社はリチウムイオン電池の部品製造を手掛け、携帯電話向けで業績を 伸ばしてきたが、09年度以降にできる新工場ではハイブリッド車向け部品に参入する。
 月間生産目標は300万個から500万個。

●業種で格差も
 郊外も好調だ。兵庫県土地開発公社が1999年に分譲を始めた加西南産業団地(加西市)は、工場用地41ヘクタールのうち27ヘクタールを15社に分譲・賃貸済み。残る四区画も「年内にも契約が成立しそう」(土地開発公社)だ。

 山陽自動車道や中国自動車道に近い交通アクセスが企業誘致の武器だ。

 滋賀県土地開発公社の「びわ細江工業団地」(長浜市、7区画、工場用地14ヘクタール)も分譲が完了した。

 工場の移転・増設を進める中小企業が関西で増加する一方、建設などは依然として厳しい。

 業種間の格差は鮮明だ。その中で尼崎や堺といった臨海部の大規模団地に進出する家電や自動車向けの部品を扱う業種は、IT(情報技術)の波もあり業績が堅調。業績拡大に向け、団地を松下やシャープといった大手企業との取引拡大の拠点として生き残りを目指す。






■補足、まとめなど

 1.かっての工場というものと中身、性格が変化したことが大きかろう。
  煙突から大きな煙がでて…という昭和30年代の工場とは一新してしまった。

 2.都市部の近隣に設置しても、公害問題を引起さない工業がなりたってきた。
それが液晶であり、プラズマを造る産業であったということであろう。

 3.しかし、この産業は変化が早く、盛衰も激しい。
  もう5年もすれば、次の有機el というものへの工業化へ移っていくであろう。

 4.工場だけでなく、工業(工場)の変化を支える「知の集積」というものが求められているのではあるまいか。




■2014 まとめ
 記事にあるシャープ、パナソニックの投資は、結局、頓挫する。
 中国、韓国あたりから、安価な製品がでてきて、価格の面で太刀打ちできなかったためだ。