固定資産税における適正な時価は?…


                         

■はじめに。

 固定資産税を求める際、その根拠となる価格(時価)をどのように求めるか、ということについて最高裁の判決があった。

 不動産鑑定士の評価の方法にも影響を及ぼしそうだ。



□まず、記事をそのまま、引用して末尾に筆者の感想を述べたい。

-引用はじめ-

 
先ごろ、最高裁判所第二小法廷は、土地の適正な時価は客観的な交換価値や評価基準によって算定されるべきてあるとして、東京高裁の判決を破棄するとともに、差し戻す判決を下しました。

 この事件は、東京都が土地lを7億7,707万円、土地2を1億994万円と価格決定し、士地課税台帳に登録したところ、その土地の所有者てある納税者が、登録価格は適正な時価を超えているとして、決定の取消しを求めたものてす。

 この事件で東京高裁は、固定資産税の課税標準であるその固定資産の適正な時価は、その年度において固定資産から得ることのてきる収益を基準に資本還元した価格、すなわち収益還元価格によって算出されるべきてあるとしました。

 そして、土地lを3億8,930万円、土地2を5,489万円と判断するとともに、東京都に対し、この価格を超える部分について違法であり取り消すべきてあるとの判断を下していました。

 ところが最高裁判所は、固定資産税はもともと、個々の士地の収益性に関係なくその所有者に対して課する税てあるところから、その課税標準とされている土地の価格てある適正な時価とは、正常な条件の下に成立する土地の取引価格である客観的な交換価値をいうとしました。

 つまり、土地の時価を収益還元価格によって算出すべきであるとし、客観的な交換価値を決定することもなく土地の収益還元価格を超えた部分を取り消すべきとする高裁判決は破棄すべきてあると判断したのてす。

 そして、東京都が賦課した本件の土地の価格か、客観的な交換価値や評価基準によって決定される価格を土回るものであるかどうかについて審理をするために、原審てある東京高裁に差し戻す判断を下しました。



-引用おわり-




■筆者の補足および感想

 まず、上掲の記事の核心はなんだろうか。
 気が付くままに、箇条書きしたい。


(1)最高裁の判断をもう少し具体的に分かるように解説したい。(なお、あくまで個人的な意見だが)

 
固定資産税はもともと、個々の士地の収益性に関係なくその所有者に対して課する税てあるところから、その課税標準とされている土地の価格てある適正な時価とは、正常な条件の下に成立する土地の取引価格である客観的な交換価値をいう  …と。


 
以下、筆者の解説

 土地の価格を求めるには、3方式といって3つの方向からアプローチしようとする。1つめは、周辺tの取引事例価格から比較して求める比準価格、2つめはその土地の収益性に着目して、純収益を資本還元してもとめる収益価格、3つめとして、原価に着目する積算価格がある。

 最高裁は、上記の比準価格を重視すべき、と判断したものと解される。



(2)しかし、比準価格と収益価格と特徴を把握しなければ、この裁判自体の論点が不明瞭のままであると思える。

 そのあたり、この件に関しては筆者は上掲の記事しか知らないので、推定できる範囲で説明したい。

 まず、東京都において原告が収益還元価格を主張するのは何故なのだろうか。

 それは、収益還元価格の方が往々にして、比準価格より低めに求められるからであろう。(ただ、誤解のないように言いたいが、これは場所とかにより異なる。商業性のある場所では高めに出ることもある)



(3)細かい部分が不明なので、これ以上の説明は控えたい。

 
実際に評価に携わっている者の目からすると、今回の最高裁の判決は「妥当だなぁ」と感ずる。

 収益価格は、今、現実になされている鑑定評価の中で大きな位置を占めつつあるが、鑑定評価の目的、場所などで適、不適があることも確かだ。 

 ⇒不動産鑑定士はさまざまなアプローチを考え、より確からしい評価額を求めることに努力していることを理解して頂ければ有難い。