■はじめに
調剤とかかりつけ薬局構想というもので、ドラッグストア業界に再編の波が押し寄せているようだ。医療費の高騰を抑制するという目的もあり、アメリカの例をみると、大手数社ということもありそうだ。
<記事から抜粋>
▲マツキヨ・スギ狙うは調剤 規模拡大不可避に
大衆薬に始まり、化粧品、日用品、食品と次々に商材を拡大してきたドラッグストアの市場規模
は7兆円を超えた。
ただ、品ぞろえの均一化が進むほか、コンビニエンスストアやスーパーと商圏も重なり、飽和感は否めない。
さらなる成長を図るには調剤分野の強化やネット対応が急務で、業界7位のココカラファインを巡って5位のマツモトキヨシホールディングス(HD)と6位のスギHDが争奪戦を展開するなど、業界再編の動きも加速し始めた。
西武新宿線の都立家政駅東京・中野)から伸びる商店街。「ウエルシア」 「マツモトキヨシ」
「ココカラファイン」と大手の店舗が連なる。
近くには数十台分の駐車場を完備した「スギドラッグ」もある。ドラッグ激戦地だ。
各社が販売を競い合うのは風邪薬など大衆薬や化粧品や日用雑貨といったドラッグストアの代表的な商品だけではない。
これらの店の多くは医師の処方箋が必要な処方薬を提供する調剤部門も併設しており激しい競争が繰り広げられている。
日本では伝統的に処方薬を扱うのは調剤専門の薬局が多かったが、ここに来て、ドラッグストア
の存在感が高まりつつある。
調剤併設型のドラッグストアが急速に増えているからだ。
近隣で調剤専門の薬局に勤める女性は「うちの客数は1割近く減った」と話す。
ドラッグストア業界の18年度の全店売上高は17年度比6・2%増の7兆2744億円。
これに対して調剤薬局(相当する調剤医療費)の市場規模は17年度で7兆6664億円と肩を並べる。
この調剤市場の大半を占めるのは病院前に立地した「門前薬局」で個人経営も多い。
ドラッグストア各社の調剤事業が占めるシェアは現状では1割程度にとどまるが今後、門前薬局の市場を開拓する余地は大きい。
成長が続いてきたドラッグストア市場に飽和感が見える中、各社は調剤分野に活路を開こうとし
ている。ココカラに経営統合を提案しているスギHDは大きなメリットとして調剤の強化を挙げる。
背景にあるのが政策的な後押しだ。
厚労省は医療費の膨張を抑えるため処方の削減を狙い、地域住民の健康を見守り住宅街に立地する「かかりつけ薬局」の普及を政策的に促している。
在宅医療や土日営業への対応など、薬剤師の人数といった規模が大きい店に有利な施策だ。 門前薬局から調剤を併設するドラッグストアへのシフトが起きる見通しだ。
厚労省は薬剤師の管理下なら無資格のスタッフでも薬を棚から取り出す作業を認める方針も今年4月に明示した。
薬剤師以外の店員が多いドラッグストアには有利に働く内容だ。
コンサルティング会社のh社長は「政策誘導でドラッグストアの調剤事業の収益性が高まりつつある」と指摘する。
ただ現状のままでは追い風を生かしきれない。
かかりつけ薬局では患者宅への訪問など薬剤師の業務が増える。
人手不足で薬剤師の確保も難しいなかで、人材獲得や生産性向上につながるIT(情報技術)への投資などには企業の規模が不可欠になってくるからだ。
経営統合が実現すれば、調剤部門の売上高はスギHDとココカラの合計で約1500億円、マツキヨHDとココカラでは約1000億円となる。
アインホールディングスや日本調剤といった調剤薬局専業大手の2千億円を超える規模にはま
だ及ばないが、薬剤師の配置や採用、調剤の運営に関する自動化機械の導入などでも規模のメリットを発揮しやすくなる。
過去数年、ドラッグストア業界では大手による中堅以下の買収が続いてきたが、大手同士の再編はなかった。
ただ足元では1店舗あたりの売上高が伸び悩み始めた。10年度まで10年間の年平均成長率は4・4%増だったが、11年度以降の年平均はO・5%増にとどまる。
ドラッグストアに調剤機能が備わっている米国では、大手2社へと企業の集約が進んだ。
新たな主戦場となる調剤が日本でも業界再編のエンジンになろうとしている。
▲筆者のまとめ
医療費の高騰を抑制するその手段に使われるということか。
あぁ、コンビニがいろんな用途を巻き込んでいたったあの過程に類似しているな。
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