嘉南大シュウを訪ねて…



↑ 烏山頭ダムの土盛り部分
↑ 烏山頭ダムの貯水側
珊瑚タン の全景


 
先日、台湾を訪れた。
 その時、嘉南大シュウ(灌漑施設のこと)を見に行った。

■まず、歴史から説明したい。

 位置だが下図の丸印の場所。台湾、台南市の北東方約30キロメートルというところか。
 最寄駅は隆田駅。





 下が位置図。赤い丸しるしの場所。



□上掲の地図では分かり難いので、geogle satelite から画像を拾ってみよう。
 下の画像の水色の部分が珊瑚タンであり、堰堤の部分もよく分かる。(なお、珊瑚タンの意味は画像のように湖が珊瑚状に見えることから)






■まず、全体像については、李登輝前総統の講演録があるのでそれを読んで頂きたい。

  → 講演録


■講演録から、数字のところだけ、もう一度抜書きしてみよう。


 嘉南大しゅうの概要

@灌漑面積は十五万町歩、水源は濁水渓系統五万二千町歩、烏山頭系九万八千町歩。灌漑方式は三年輪作給水法

A烏山頭ダムの規模、堰堤長千二百七十三メートル、高さ五十六メートル、給水量一億五千万トン、土堰堤はセミハイドロリックフィル工法採用
 →なお、この烏山頭ダムと呼ばれるものが、上掲の画像にあるダムである。

B水路の規模、給水路一万キロ、排水路六千キロ、防水護岸堤防二百二十八キロ。



■当時、東洋一の灌漑土木工事として、十年の歳月と(当時のお金で)五千四百万円の予算で一九三〇年(昭和5年)にこの事業を完成した。



■この工事をおこなった人が八田與一という人なのだが、彼に対する感謝を地元の水利組合が配布している。その文章をお見せしたい。文はすべて漢字だが、意味は分かる。

  → 感謝の文章


■下の画像が、烏山頭ダムへの入り口。







■八田技師記念室





■殉工碑…じゅんこうひ…
 この嘉南大しゅうの工事のために約130人のかたが亡くなっている。その方達への慰霊碑。





■放水口




■ダムの頂上から灌漑している平野を望む




□灌漑している嘉南平野を geogle satelite から画像を拾ってみよう。

 ほぼ中央に見える黒い丸い点が珊瑚タンであり、そこから西側に広がる部分が感慨している嘉南平野だ。




■もう一度、烏山頭ダムを貯水池側からみてみよう。




■まとめ

 さて、昭和五年というタイミングは日本にとってどんな日時だったのだろうか。

 こうして、烏山頭ダムをみていると、大正10年前後から昭和5年という時に、よくこれだけのお金を掛けた…と感心してしまう。

 端的にいえば、日本という国はおせっかいな国なのだろう。

 例えば、インドネシアに対するオランダの植民地政策などと比較すれば、どれだけおせっかいというか、世話焼きの国かがよく分かる。


 
オランダは400年間、インドネシアを植民地としたが、ほとんど、面倒はみていない。学校などを作ったわけではないし、教育の機会を与えたわけではない。悪くいえば搾取するだけだった。…そのおかげで、オランダ人の背の高さが伸びたのだという…

 オランダと比較したところで…ということになるかもしれないが、少なくとも人種差別的な倣岸さで、日本は台湾を統治したわけではないことがよく分かる。

 (なお、言えば戦後60年という時間を経過した訳だが、イントネシアと台湾の現状を比較してもらいたい。--その根底にあるものは教育の大事さを認識せしめたか、また教育を受ける機会を与えるシステムをつくったかどうかにあるのではないか…)

 植民地としたのだから、善行ばかりがあった訳ではあるまい。
 しかし、そういうマイナス面をみても、こういうインフラの整備、教育施設、衛生設備の整備など…日本の植民地政策の優秀さはもっと認められてもいいことだ…と思う。



■最後に八田與一さんの銅像を示したい。
 この烏山頭ダムにせきとめられて作られた人工湖を「珊瑚たん」と呼ぶ。
 この珊瑚たんを見下ろせる位置に、八田さんの像がすわっている。
 奥様のお墓は像の後ろ側だ。


 
水利組合の文章にもあったごとく、全力を尽くして彼はこの工事をなしとげた。
 こうなんというか、男として大きな仕事をなしうるにはこれだけの献身が必要なのか…と改めて身が引き締まる思いだ。






 
→なお、この像は戦後、中国から国民党がやってきて、日本色を消そうと躍起になっていたとき、地元の人達がどこかに埋めた?とか、倉庫の隅に隠した?とか…定かなことは分からないがそうしなければ今頃はどこか消滅していたろう。
 →やっと、像を出しても大丈夫となって始めて倉庫の隅のほうからみつかった?(掘り出した?)とのことだ。




■八田技師記念室の前の看板の写真から
 →恐らく、戦死される直前くらいの写真であろう。