■他人と関わりあうということ





 
先日、ある文学の新人賞の表彰式に受賞者が出席しなかったという事が新聞に載っていた。

 なんでも、その受賞者は、5人以上の人がいるところには顔を出せないのだという。

 こういう人を「ひきこもり」とかいうのらしいのだが…。

 人は、自分自身というものについてイメージを持っている。

 いい男だとか、スーパーマンだとか、天才だとか…、しかし、そういうイメージは、多くの人達の中に入れば、かれらとの比較とか、たとえば、コンペとかがあれば、自分自身の実像が如実に示され、今まで自分自身に持っていたイメージとの落差に愕然としてしまう。

 こんなことは、誰でも十代の頃に遭遇し、やがて、自分自身の自尊心というものを、この点は、アイツに負けるが、この点では、勝っているとか…アレコレ考えつつ、なだめていったような気がする。

 
他人と関わりあうということは、自分自身の実像に、半分はあきらめ、半分は、でもこれから頑張れば勝てるかも…となだめていくことのように思える。

 だから、多くの人に会うのが嫌だという人の心の底には、スーパーマンのままでいたい。
 自分の実像を知るのがコワイ…そんな思いがあるのであろう。

 実際のところ、完全な人間などいない。

 アレが良ければ、コチラは悪い…
他人との比較は、勝ったり、負けたりなのだ。

 そのことさえ、気がつけば他人とつきあうのは、カンタンだと思うのだが…。