■三角縁神獣鏡は中国製?



 先日、鏡の成分が中国のものと一致したという記事が載っていた。

 spring-8 という道具を使えることで、細かい成分まで調べることができるようになった。


 以下、新聞から。

 「卑弥呼の鏡」といわれ、国産か、中国製かの論争が続く「三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)」に、邪馬台国(3世紀)と同時期の中国製の青銅鏡と微量成分の割合がほぼ一致する鏡があることが、大型放射光施設「SPring―8」(兵庫県)の分析でわかり、泉屋(せんおく)博古館(京都市)が15日、発表した。

 中国製説を補強する新たな資料となりそうだ。

 同館の依頼で、同館所蔵の8面に、同施設で強力なエックス線を当て、銀とアンチモンの割合を高精度で分析。

 うち6面は精巧な文様から、中国製とみられてきたが、同様に分析した三国西晋時代(3―4世紀)の中国鏡と成分比率がほぼ同じだった。

 国産とされる2面は不純物が多かった。

 同館は「微量成分は原材料の産地、製造法の違い。

 中国で作られた可能性が高い」と指摘している。

 魏志倭人伝は「卑弥呼に銅鏡100枚を贈った」とし、近畿に多く出土する三角縁神獣鏡を、この鏡とみる説が根強い。

 しかし、国産説の有力根拠として、中国に存在しない年号「景初4年」を刻む鏡もあり、製作地特定が論争になってきた。

 今回の分析手法が、「景初4年」など他の三角縁神獣鏡に応用されれば、論争が活発化するとみられる。

 一方、国産説の河上邦彦・奈良県立橿原考古学研究所付属博物館長は「中国の材料を使えば日本で作っても同じデータが出るはず。中国製と断言できない」としている。




▲細かな議論は、これからであるが、

 まず、三角縁神獣鏡…というものについて、基礎知識を辞典から書き写して、確認しておこう。

 
神像と獣形とを組み合わせて内区の図文を構成する神獣鏡のうちで,鏡縁を厚く作ったために,縁の断面が三角形になっている鏡。

 ほとんどは直径23cm前後の大型鏡。

 三角縁神獣鏡には,中国鏡のほかに,日本で模作した宛製(ぼうせい)鏡もある。

 そのうち,中国製の三角縁神獣鏡が魏・晋代のものであることは,大正期から日本の学者が力説してきたところである。

 その後,日本の古墳からの出土数が増加するにつれて,《魏志倭人伝》に魏が邪馬台国の女王卑弥呼に与えたと記す〈銅鏡百枚〉に相当する鏡は,三角縁神獣鏡をおいて他に求められないことが判明してきた。

 しかし,この種の鏡が中国ではほとんど出土例がないという事実の説明には,まだ不十分な点があった。

 魏の鏡でありながら,中国では出土しないというのは,魏の外交政策の担当者
が,朝貢した倭人に与えるために,特別にこれらの鏡を作ったと考えることによって理解すべきであろう。

 三角縁神獣鏡に〈景初3年〉および〈正始元年〉の紀年をもつものがあることも,その製作の事情を反映するものである。




    
上掲の地図は、3世紀半ばの中国を表す



▲筆者の意見…

 
ヤマタイ国がどこにあったのか…という議論と密接に結びつくので、いまから面白くなるかもしれない。

 上掲の新聞記事は、sprig-8 というツールを使う、新しいアプローチの方法を見つけたというところに意味があるものと思える。