■競売不動産を購入する際の留意点は…



 
競売は,民事執行法より行われており,郵送による入札が認められているなど,誰でも競売に参加できます。

 まず、売却が行われる1週間前までに,物件明細書,現況調査報告書,評価書の3つの書類の写しが裁判所に備えられ,誰でも閲覧できます。

 物件明細書には,不動産を買い受けたとき引き継くべき賃借権があるかどうか,法定地上権が成立するか否かなどが記載されています。現況調査報告書は,執行官による詳細な調査であり,売却物件の形状,占有の状況が記載されます。評価書は,売却物件の最低売却価格等が記載されます。

 つぎに、競売不動産を購入しても,すぐに買受人が利用できるとは限りません。建築年数等の通常の不動産購入時におけるチェックの他、権利関係や占有関係が重要な留意点となります。

 代表的なものは次の通りです。

(1)建物賃借人がいる場合
 建物の賃借人が、第1頂位の抵当権設定以前より賃貸借しているときは,正常長期の賃貸借であり,買受人に対抗できます。

(2)短期賃借権の付着する場合 
 短期の賃貸借,すなわち山林10年,その他の土地5年,建物3年以下の賃貸借は,登記をすれば,その登記が第1順位の抵当権設定の後であっても抵当権に対抗できます。

(3)法定地上権
 抵当権設定時に土地と建物が存在し,同一人が所有し,一方だけを抵当の目的としたときは,競売の結果,土地と建物とが異なる人の所有に属することになります。この場合は,抵当権設定者は建物のために地上権を設定したものとみなし,建物の存続を図っています。これを法定地上権といいます。

 土地のみの購入者は,法定地上権による建物所有者がいますから,底地の所有者となり,建物のみを購入した人は,借地権とほぼ同程度の利用権(法定地上権)に基づく建物の所有者となります。

(4)対抗力のない占有者
 競売がなされた後も,従前の所有者等が居住している場合があります


 これらの者は対抗力のない占有者であり、買受人は引渡しを求めることができます。任意に引渡さない場合には,「引渡命令」という裁判をし,執行官に申し立てることにより強制的に立ち退かせることができます。

 現実には占有の形態や占有の状況が極めて複雑なものが多く,買い受けには充分な注意が必要です。