●不動産の証券化とはどのようなことですか。




 
証券化とは、不動産に係わる小口化された権利が多くの投資家に販売されて流通することをいいます。

 日本では、抵当証券の歴史は古いのですが、投資商品として商業系不動産の証券化が議論され始めたのはここ10年ほどのことです。
 
 1987年に、不動産の共有持分権を投資家に販売する不動産投資信託方式の不動産小口化商品が国内で初めて売り出され、その後、95年に施行された不動産特定共同事業として特定の資格を与えられたデベロッパーによる組合型の証券化商品が出てきたのですが、いずれも流動性は低いものでした。

 このような不動産業界が進める小口化とは別に、金融機関の不良債権処理方策のひとつとして不良債権および担保不動産の証券化が注目され、取り入れられ始めています。


 手法として、
@不動産投資のための借入金(ローン)を証券化するデット(負債)型、
A投資のために出資者を募って所有権を証券化するエクイティ(資本)型が、

 方法としては、不動産事業を行う者(資金調達者)が不動産からの収益権や不動産所有権を、導管体(証券化のための便宜的な主体)を通じて有価証券等の証券とし、投資家はこれを購入するという形をとります。

 この目的に添うため、日本でも98年9月からSPC法(特定目的会社による特定財産の流動化に関する法律)が施行されています。


 このように組みは少しづつできていますが、一般投資家が魅力を感じる不動産証券化商品になるには、

(1)不動産投資のメリットを比較的少ない投資額で受けられること、
(2)流動性・換金性が確保されていること、
(3)投資リスクについて合理的に判断できる環境が整っていることが必要でしょう。

 
 既にこのような特性を備えた不動産証券化商品として、アメリカのREIT (Real Estate Investment Trusts)があります。

 REITは、多数の投資家から小口資金を集める不動産投資信託で、最低投資額が10万円程度と個人投資家にも魅力のある商品です。

 このような商品が日本で本格的に普及するためには、今後不動産に関わる市場慣行や制度面での見直しも含めた取り組みが必要でしょう。