■日本版パブリックスクール


■まず、どのあたりから。

 google で
海陽学園を検索してみよう。

 y新聞の記事がひっかかった。

 以下、新聞記事を抜粋。


◆教員と寮生活基礎学力重視

 中部財界主導による中高一貫の全寮制中等教育学校の設立計画が、大詰めを迎えている。
 イギリスのパブリックスクールなどをモデルに、年齢の違う子供たちが、指導教員とともに暮らし、学ぶことを通じて、社会をリードする人材を育てるのが狙いだ。

 背景には、すべての子供たちを一律に扱う戦後教育への危機感がある。
 中部財界が目指す「日本版イートン校」は、「国際性、創造性を備えたリーダー」を育てることができるだろうか。

【世界の大学へ】

 名古屋駅の真上、JRセントラルタワーズの二十五階に、二〇〇六年四月開校を目指す「海陽中等教育学校」(海陽学園、仮称)の設立準備委員会がある。

 七月に迫った愛知県への設置計画書提出に向けた作業に追われるスタッフのもとに、「海外赴任中、全面的に寮に預けることは可能か」などの問い合わせが相次ぐ。


 同校は、同県蒲郡市海陽町のリゾート施設「ラグーナ蒲郡」の一角に設置される。
 最大の特徴は、イギリスの名門パブリックスクールに倣った全寮制教育にある。


 一学年の定員は、男子百二十人。六十人収容の寮十二棟が建設され、親代わりとなる指導教員が住み込む。

 寮生活を通じて規律を身につけさせ、英語、数学、国語は公立校の二倍近い時間を充てて基礎学力を植え付ける。
 偏差値万能に陥らないよう、スポーツ教育などにも力を入れる。


 卒業後の進路には、「国内の有名大学だけでなく、ハーバードやマサチューセッツ工科大学(MIT)も想定している」と、初代校長に就任予定の伊豆山健夫・東大名誉教授は語る。

【「元気な中部」】

 「日本の教育は記憶力偏重。物まねではなく、独創的な人間を育てたい」。
 学校設立は、豊田章一郎・トヨタ自動車名誉会長、太田宏次・中部電力会長、葛西敬之・JR東海社長が発案した。

 自社への人材供給は前提とせず、「日本のリーダー」育成に目標を置く。


 設立準備金は約200億円。トヨタ、中電、JR東海が40億円ずつ負担し、残りは全国の企業や個人からの寄付でまかなう。

 好調な自動車産業がけん引役となり、中部五県の四月の鉱工業生産指数(二〇〇〇年=100)は111・8を記録、全国平均101を大きく上回った。
 松下正幸・関西経済同友会代表幹事は、「全国で一番元気がいい中部だからこそ、できる取り組み」と見る。

【進学塾も注目】

 一期生となるのは、現在の小学五年生。授業料などは未定だが、名古屋の大手進学塾の中には、すでに小学校低学年を対象に、入学対策コースを設けるところも現れた。

 名古屋大大学院の浪川幸彦・多元数理科学研究科教授は、「画一化した教育ではエリートは育たないという、財界人の危機感はわかる。

 受験教育に走るのではなく、寮生活を通じて、子供たちに社会人としての役割を身につけさせてほしい」と話す。

 イギリスの教育事情に詳しい国立教育政策研究所の小松郁夫・高等教育研究部長も、「教育は息が長い。
 財界人は二十年、三十年先を見届ける気構えで、じっくり取り組んでほしい」と期待する。


 ◆お手本「イートン校」 厳しい競争 自由な時間

 ロンドン郊外、テムズ川のほとりにイートン校はある。
 一四四〇年の創立以来、政財界などに多くのリーダーを輩出してきたパブリックスクールの名門私立男子校だ。


 黒のモーニングコートに白の蝶(ちょう)ネクタイ姿の生徒が行き交う。
 「ここでは、自分のしたいことが何でもできる。卒業後はオックスブリッジ(オックスフォード大、ケンブリッジ大)に進み、将来は医師になりたい」。四年生の生徒(17)は自信に満ちた表情で話した。

 約千三百人の生徒は全員、「ハウス」と呼ばれる寄宿舎で暮らす。
 イートン校が創立以来、最重視しているのがこの寄宿制度。五年間を過ごすことで、社会性や自主独立の精神が養われる。

 中庭の時計台をくぐり、ほの暗い回廊を進んだ先に、「カレッジホール」と呼ばれる建物があった。
 成績優秀で、学費を免除された奨学生専用の食堂だ。
 「ここでは、一流料理人が作った食事が出されます。もちろん、セルフサービスなどではありませんよ」と、フランク・ベンフィールド教諭は説明した。

 生徒は厳しい競争にさらされ、山のような宿題も課される。
 一方で、自由な時間もふんだんにある。火、木、土曜の授業は午前中だけ。
 生徒たちは、スポーツや芸術に、学業と同じくらいの情熱を傾けることができる。


 トニー・リトル校長(50)は、「まず、何事にもチャレンジできる子に育てること。技量や情熱が発揮できるよう、生徒たちを鼓舞する環境づくりに力を入れている」と話す。

 厳しい競争と自由な時間。学業以外の多様な選択肢――。それらすべてが、「イートニアン」育成に重要な役割を果たしている。




▲筆者の感想

 上記の記事を基礎知識とし、2004年6月にBという雑誌で取り上げられていた。

 雑誌での記事の内容をご紹介しつつ、この日本版パブリックスクールについての感想をのべたい。

□まず、トヨタという高収益会社がバックにあるからこそ、打てた手だなぁ…と思った。
 とても、今の大坂では無理だろう。

□今、日本で問題なのは中等教育なのだ。その部分での新しい試みなのだ。

 特に、ゆとり教育への批判が大きい。
 Bの記事を一部抜粋すると


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
 
▲「ゆとり」というのは勉強のレベルを低くすることではなく、効率的に必須知識を与え、効率的であるがゆえに、ゆとりの時間を生み出すということなんです。

 ▲教育行政は学習指導要領を細かく規定するのではなく、校長なり、先生なりが創意工夫を凝らせるようにすべき。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞



□エリート…とでも言うべきものを作る学校となる訳だが、それは日本の階層化というか、階級社会をつくるのではないか…という懸念があろう。
 →これについては筆者には分からない。

 ただ、奨学金制度のようなものを充実させれば、優秀であれば誰でも入れるようになろう。それならば、固定化はすまい…。


□中部圏の女性弁護士により、海陽学園で女性を排除しているのは差別だ…という非難がなされていたが、どうだろうか。
 →なにか的外れだという気がする。 
 
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
 Bの記事を一部抜粋。
 
イートンの校長先生が言っていたのが、3つにE
 1.活力  energy
 2.情熱、好奇心  enthusiasm
 3.不抜、耐久のこころ  endurance
 以上に3つの素養がぜひとも求められるというのです。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞




■まとめ

 以上、いろいろ言っているし、批判も多い。

 しかし、筆者は今の硬直化した体制のもとでの教育には未来はない…と思う。

 海陽学園というような学校が多くできて、「ゆとり教育」に風穴を空けるべきだと思う。

 教育は、国家百年の大計なのだ。

 そのためにはイイと思うことはすべてやってみるべきだ…と思う。




□2012.3月

 この学校のことが、ニュースにでていたので転記したい。


--ここから--

 新設校ながら、卒業1期生をいきなり東京大学に13人も合格させた高校が話題を集めている。

 トヨタ自動車やJR東海、中部電力といった日本を代表する 企業が200億円以上を投じて設立した中高一貫の全寮制男子校で、19人もの 英国首相を生み出した英国一の名門「イートン校」が目標という “超エリート 養成校”だ。

 東大合格2ケタという派手な実績をあげたことで、同校が秘める高い教育力が注目されている。

 全国の教育関係者や受験生、父母らを驚かせたその高校は、愛知県蒲郡市にある「海陽中等教育学校」。

 1学年の定員120人の男子校で、6年間を寮で過ごす 中高一貫校だ。

 2006年に開校し、今年、1期生が初の卒業生となった。

 その卒業生の中から、13人の東大合格者が誕生。

 「サンデー毎日」と大学通信の調べによる東大高校別合格者ランキングでは、初登場で51位にランクされた。

 大学通信の安田賢治・ゼネラルマネジャーは「初の進学実績で2ケタの東大合格者を出した学校は過去に例がないと思う。

 全寮制で6年みっちり鍛えることは、進学面でかなりの効果があることを証明してみせた」と驚く。

 東大だけでなく、米国屈指の難関校というスワスモア大学(ペンシルベニア州)の合格者を出したとの情報もある。

 イートン校は世界中の有名大学に卒業生を送り出しており、海陽も手本とする学校に一歩近づいた。

 もっとも、同校では好結果を喜びつつも、「学力だけをもって本校の成功とするのではなく、彼らがリーダーたる人間力をつけて初めて成功と考えます。

 彼らの今後の大学や社会での活躍を期待します」(関係者)と浮かれた様子はない。

 海陽では、一体どんな授業が行われているのか。

 「高校1年に相当する4年生までに高校3年までの全教科を終わらせてしまう。

 とりわけ国際人を育てる英語、伝統文化を重んじる国語の2教科は徹底して教育される」 (教育ジャーナリスト)。

 スピード重視でカリキュラムをこなす一方、補習や習熟度に 合わせた授業も手厚く実施されているという。

 ある保護者によると、費用は「授業料、寮費、子供へのお小遣いなどを入れて1年間で300万円ほど。

 それ以上かかる年もあり、6年間で2000万円弱」と、かなり高い。

 ただ、大枚をはたく価値はあるようだ。

 「全寮制でカリキュラムもぎっしりなので、窮屈というイメージかもしれないが、意外と伸び伸びやれる環境のようです。息子には『毎日が修学旅行のようで楽しい』と言われました」(同)

 生徒に楽しさを感じさせているのが、寮内でともに生活する“社会人”の存在だ。

 設立の母体となったトヨタ、JR東海、中部電などは出資だけでなく、生徒の育成にも積極的に関与。

 各企業の独身男性社員が寮に「フロアマスター」として派遣されている。

 フロアマスター経験者は「20人の生徒と一緒に生活しながら、彼らが書く日誌を毎日チェックする。

 兄のような存在として、ときに将来の夢を深夜まで語り合った。

 自分にとっても実り多い体験だった」と振り返る。

 同校の誕生にはJR東海・葛西敬之会長の熱意が大きく関わっている。

 葛西氏は日本におけるリーダー教育の弱さに危機感を覚えつつも、教育論は千差万別で答えが出ないことを痛感。

 著書『明日のリーダーのために』(文春新書)でこう述べている。

 「自ら理想とする教育を施すには小さな学校を作って、その学校で自分が正しいと思う教育を子供たちに与えてあげること、それが教育に対する唯一の適切なアプローチの仕方だと思うに至りました」

 葛西氏の思いにトヨタの豊田章一郎元会長、中部電の太田宏次元会長らが賛同。

トヨタが海沿いの広大な土地を提供し、本格的なリーダー教育の拠点が完成した。
 ただ、前例のない試みだけに課題も多い。

 各学年の定員は120人だが、 「全寮制や校風に合わないのか、どの学年でもおしなべて100人程度に減る」(保護者)と、退学者が目立つ。

 志願者数もピークは初年度で、その後は徐々に減少。

 11年に学費、食費を免除する「特別給費生」を導入したことで、やや持ち直した。

 「イートン校が目標なら、東大ではなく米国のハーバード大、英国のオックスフォード大を狙わせるべき」(大学関係者)との声もある。

 一時は“無名”になりかけた海陽だが、華々しく“東大デビュー”したことで受験生や親から熱い視線を集めるのは必至。

 今後明らかになる有名私大の合格者数も大いに気になるところだ

--ここまで--




□感想など

 入学しても 120人 →100人 になるというのは、全寮制というものが合わない人間がいるということであろう。

 それはいたし方あるまいと思える。
 このあたり、個性がぶっつかりあうことが多いのだろう。

 もう一つ、大学についてハーバートか、オックスフォードとかを狙わせる--というのはどうかなぁ。
 どこか、時代錯誤とはいわなくても、時代というものを見そこねていると思う。

 日本には、日本なりの大学というか高等教育というものがある。日本なりのやり方でいいと思う。

 いや、欧米の大学の価値を軽んじているつもりはない。
 ただ、もう、追いつけ追い越せのタイミングではない--といいたい。

 逆にいえば、もっと海外から日本の大学へ来てもらう--ということを考えるべき時ではないのか。