■自然界に存在しなかったということ




 
イギリスで遺伝子の組み換えトウモロコシの栽培が一部認可されたようだ。

 このように、自然界に存在しなかったものを栽培し、それを肉牛が食べ、更に、その肉を人間が食べるという食物の連鎖に組み込まれたとき、一体どのような影響がでるのだろうか。

 また、自然界に存在しなかったということはどういう意味なのだろうか。



 以下、新聞の記事の抜粋を載せ、最後に筆者の感想を述べたい。



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 英国のベケット環境・食糧・農村相は、国内における遺伝子組み換えトウモロコシの栽培を、今後3年間にわたり、許可制などの条件付きで一部認可すると発表した。

 条件付きで栽培認可が下りたのは、除草剤耐性を持つ「T25系統」のトウモロコシで、主にウシの飼料に使われる。栽培は、早くても2005年の春となる。栽培認可の期限は、06年10月までとなっている。

 これ以降も継続を希望する者は、科学的な評価報告書を提出、判断を仰ぐ必要がある。同相は、遺伝子組み換えトウモロコシの栽培について、「手放しで認可するものでも、禁止するものでもない」と述べた。

 遺伝子組み換え作物を既に大量栽培している米国では、遺伝子組み換え種と交雑してしまった従来種が、セイヨウアブラナで83%、ダイズで半数以上に達しているとの報告もあり、英有機農業団体などは今回の認可に強く反発。英国の農業や食料の安全性を守るため、今回の方針を再考するよう求めている。

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▲筆者の感想

 単に、トウモロコシがたくさん取れるための手段として捉えると、判断を誤ってしまう。
 食物連鎖の中に組み込まれ、結果として人間が食べ物として身体に摂取してしまう…ということなのだ。

 この問題の核心はどういうことが起こるのか分からないという不安であろう。

 また、そもそも、自然界に存在しない…ということはどういうことなのか。

 地球という星は、40億年という歴史がある。菌類のような原始的な生物から進化という過程を通じて現在の地球に存していることになる。

 現時点で存在していないということは、進化の過程で脱落したか、地球という環境のなかでの進化の道筋になかったもの…ということだろう。

 そこに不気味さを感ずる。

 突然変異というか、地球という環境の中で選択したルートから外れた…そういう生物であろう。




 生物学者たちはどういっているか 辞典から。抜粋

 ●遺伝子を直接人工的に変換することを可能にした遺伝子工学は,研究の世界のみならず,一般社会にも大きな衝撃を与えた。

 この技術の有用性が認められた一方で,人工的な遺伝子改変に伴う潜在的危険性も指摘された。この技術をどう評価するかという点で,肯定的・否定的意見が出された。

 研究の初期においては,欧米を中心に,危険性を最小限にするための強い規制が各国で設けられた。
 しかし,一方で多くの生物学者がこの規制が過度に厳しいものであり,遺伝子組換えは決して危険なものではないと主張した。

 実際,数年にわたる実験において危惧された事故は1件も起きなかった。また薬品,化学,食品などの企業が遺伝子組換えに深い関心を注ぎ,大規模な投資を行いだした経済的背景もあり,規制は緩和の方向に向かっている。





 厚生労働省のホームページには以下のような事例が載っていた。

●米国コーネル大学の研究者、ジョン・E・ロゼイらは、Btタンパク質を導入した害虫抵抗性トウモロコシが、チョウに被害を及ぼす恐れがある、との研究結果を発表しました(ネイチャー1999年5月20日号)。

 この実験の内容は、トウモロコシの花粉を振りかけたガガイモ科の植物のトウワタの葉を、チョウ(オオカバマダラ)の幼虫に摂食させたところ、4日間で幼虫の44%が死亡し、生き残った幼虫も発育不全になったというものです。





まとめとして、まだ、遺伝子組換え植物の影響というものが、良く分かっていない…ということが結論なのだろう。

 だからこそ、慎重の上にも慎重であらねばならないはずだが、冒頭の記事にあるごとく、アメリカでの取り組み方がいかにも粗雑で、アメリカ産の大豆にいたっては、半分が従来の大豆と遺伝子組換え後の大豆とか交雑しているらしい…という状況だ。

 そのことは、日本の豆腐とかにも当然混入しているということであり、日本人が気がつかない間に食べさせられている…ということでもあるはず。