■インド大動脈に4500億円の円借款。


□2008.10月の新聞から。

 麻生首相とインドのマンモハン・シン首相は、インドの貨物専用鉄道建設計画に対し、日本が4500億円の円借款を供与することで合意した。

 経済連携協定(EPA)交渉の早期合意を目指すことでも一致し、貿易拡大や地球温暖化対策、安全保障面での協力を深めると強調した。

 ただ、原子力協定については、日本が核不拡散を訴えている立場から交渉入りを見送った。

 貨物専用鉄道計画で円借款の対象となるのは、デリー−ムンバイ間約1500キロのうち約920キロ。

 単一事業に対する円借款として4500億円は過去最大となる。

 インド政府は同鉄道を軸にした地域で産業集積を図る「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想」を掲げており、工業団地などインフラ整備のため、日印で150億円のファンドを折半出資で設立することで合意した。

 「日印戦略的グローバルパートナーシップの前進に関する共同声明」では、経済関係強化 のほか、地球温暖化対策でも連携していくことを確認。インド工科大学ハイデラバード校の新設に向け協力するなど人的な交流を促進することもうたった。

 両政府はまた、2008年度前期分の円借款供与でも署名。

 チェンナイの地下鉄建設計画、ハイデラバードの環状道路建設などに計約990億円を供与する。
 後期分は来年3月に決める。

 今回の首脳会談は両国の経済協力拡大をアピールし、中国を牽制する狙いもある。

 ただ、日印EPA締結は持ち越された。

 インドが自動車部品などについて貿易品の生産国を確認する「原産地規則」の厳格な適用を要求する一方で、日本は医薬品について相手国での認可を国内認可と同様に扱う「相互承認制度」を認めず、溝が埋まらなかった。

■日本企業進出の起爆剤に

 インドの2大都市を結ぶ「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想」が具体化に向けて動き出したことで、日本企業のインド進出が加速する契機となる可能性が高い。

 ジェトロによると、同国に進出している日系企業は552社。中国の約2万2000社、タイの約7000社と比べ、大幅に少ない。

 未舗装道路が多いなどインフラ整備に難点があることが、対印進出を尻込みさせるマイナス要因の一つとなっていたためだ。

 ジェトロの野口所長は、「日系企業の進出はスズキなど自動車関連が中心で、他の産業の存在感はまだ薄い」としながらも、同構想の進展によってインフラ整備が進めば「家電など他の日系企業の産業集積が進む起爆剤になり得る」と効果を期待する。

 実際、約11億8000万の人口を抱えるインドに対し、関心を寄せる日系企業は多い。国際協力銀行(JBIC)の調査によると、日本の製造業は「長期的有望事業展開先」として、インドが中国を抜いて1位に挙げている。

 こうした潜在需要を先取りして、総合商社はインドでの物流機能強化に動き始めている。

 三菱商事は「急速に拡大する低温物流サービスの需要が高まりつつある」とし、ニチレイグループや三菱倉庫とともに、現地の低温物流事業会社「スノーマン・フローズン・フーズ社」に資本参加し、海産物や冷凍食品などの物流事業を始めた。

 丸紅も「高性能トラックを求める物流企業が多い」ことから、日野自動車と合弁現地法人を設立。来年から日野製トラックを販売する準備に入っている。

 事業用地を確保する動きも始まっている。

 ジェトロはラジャスタン州と2006年7月に覚書を締結。デリーから約120キロにある大動脈構想予定地沿いのニムラナ工業団地への日本企業誘致を同州と共同展開し、 すでにダイキン工業など17社の入居が決まった。

 インドは日本の「太平洋ベルト地帯」をモデルとして、外資誘致などを核に工業国化を図ることを目指して いる。

 大動脈構想が実現すれば「インドのGDP(国内総生産=07年1兆ドル)を0.5〜1%押し上げる効果が期待できる」との声もあがる。



□場所を示す地図もあったので、示したい。





□まとめ、感想など

 中国を牽制するという目的は当然あるのだろう。

 しかし、インド自体にそれだけの魅力が存在しているということの方が大きかろう。

 今は、円高でルピーが安いので、この円借款は実際には従前の倍近くをもらった感じではあるまいか。

 また、新幹線などの計画もある。

 日本の新幹線方式を採用してもらえば、そのメンテナンスとかもあるので長いお付き合いとなりそうだ。