■ラーメン店   
…  なぜ、びっくりラーメンから撤退したか。


■2009.6月の記事から。


 1杯250円という安いラーメンを販売していた吉野家ホールディングスが、ラーメン事業から撤退する。

 讃岐うどんの「はなまるうどん」、寿司の「京樽」、宅配中華「上海エクスプレス」なども展開し、チェーン事業に長けている同社がラーメン事業に失敗したのはなぜか。




■「値段も味も中途半端になった」
  吉野家ホールディングス(HD)は、子会社のアール・ワンがラーメン事業から2009年8月末で撤退すると6月に発表した。

  商品、サービスの向上に取り組んだが抜本的な改革にはならず、原価の高騰、消費の低迷もあって 撤退を決めた、と吉野家HDは説明。

  09年2月期のラーメン事業の売上高は17億8000万円、当期赤字は14億2500万円。

  アール・ワンは07年9月に民事再生法の適用を申請していたラーメン一番本部からラーメン 事業を譲り受けた。

  ラーメン一番本部の「びっくりラーメン一番」は、ラーメン一杯180円の激安店として知られていた。

  譲渡後、200店あった店舗を58店に減らし、業態を「びっくりラーメン」のほか、「麺屋五条弁慶」 「中華そば一番」などにわけた。

  また原材料の高騰を理由に、びっくりラーメンは180円から250円に、麺屋五条弁慶はラーメン1杯400円、と全体的に値上げした。

  しかし、この値上げがよくなかった。

 リニューアル直後に麺屋五条弁慶に行ってみたという男性は、「つけ麺 二玉」(580円)を注文した。

 「出汁は薄いが味が恐ろしく濃いつけ汁。ハムみたいなチャーシュー。割とコシのある麺はそこそこ美味かった。

  半熟の味玉も悪くはない。しかし、580円出すなら別の店に行くよなあ」と08年3月のブログに書き込んでいる。

 「まさにカップラーメンの麺、即席麺とでもいうのでしょうか? これには少しがっかりしました」という人もいる。

  要は、「値段も味も中途半端になった」ということらしい。

  吉野家HDは主力の牛丼チェーンのほかに、讃岐うどんの「はなまるうどん」、寿司の「京樽」、宅配中華「上海エクスプレス」などのチェーンも展開している。

  チェーン事業に長けているにもかかわらず、ラーメンが失敗したのはなぜなのか。



■立地に問題があった?
  ラーメン店には厳選した素材を使い、スープ、麺にこだわった個人経営が多く、大型チェーンは少ない。

  そんななかで着実に店舗を増やしているのが、ラーメン1杯390円で提供している「日高屋」だ。

  09年5月末時点で231店舗構える。

  既存店の売上高は09年5月が対前年比0.8%減と微減したが、3月は同比0.8%増、4月は同比1.1%増と健闘している。

  価格帯は吉野家HDとさほど変わらない。

  明暗を分けたのは何か。

  日高屋を運営するハイデイ日高の営業担当者は、「
立地に大きな違いがある」と指摘する。
  同社の基本戦略は駅前の1等地の1階部分に店を出すこと。

  一方の吉野家HDはほとんどがもとの店を使っていて、「2等地が多い」。

  成功しているファーストフードのチェーンは、駅前に店を出しているという共通点があるそうだ。

  もう1つ、
失敗の理由として考えられるのは、夜の売り上げが少なかったのではないか、という点。

  昼はほとんどの客がラーメンしか頼まないため、サイドメニューや飲み物を注文する夜が稼ぎ時になる。

  日高屋がアルコールと炒め物、定食類にも力を入れているのはそのためだ。

 「
たくさんメニューを用意すると効率が悪くなりますので、適度に、かつ自宅では調理しづらいものを中心に揃えています

  誰でもできるようで、ラーメンのチェーン展開は難しいんです」







□補足、感想など

  そういえば、びっくりラーメンという店舗に過去、入ったことがあった。

  一杯180円…という価格にびっくりして、どんなラーメンなんだ…という興味をひかれて。

  確かに立地が悪かったなぁ。なにか、商店街の外れは外れだが、ずっと外れた陰のようなところにあった。

  ラーメンについては、べつにうまくもなかったが、まずくもない…なんとも特徴のないラーメンだった。
  びっくりするのは、価格だけ…という感じか。

  知っている店舗が一店だけだから、なんともではあるが、あれと同程度の立地、ラーメンの味であれば、生き残るのは難しかろう。

  潰れるべくして潰れたということか。